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2006年2月 2日

(5)タン・モリ金属と溶接・接合性

 金属材料の実用化には溶接・接合は欠かすことの出来ない作業工程である。特にタングステン、モリブデン・タンタル・ニオブなどの高融点金属の溶融溶接の場合、溶接部は凝固組織を呈することになる。この凝固組織は一般に粗粒からなる多結晶状態であるばかりでなく、熱影響部(HAZ)は再結晶からなる多結晶状態となる。これらの多結晶状態にあるタン・モリ金属はコラム(1)コラム(3)述べたように多くの金属材料と異なり結晶粒界が極めて脆いという致命的な欠陥があることは言うまでもない。このため、タン・モリ金属の溶融溶接が適さない理由である。但し、凝固組織の強度・靭性値の範囲で外部応力が加わらず単純な接合のみで満たされる部分では電子ビームまたはチィグ溶接(TIG)が現在でも行われている。一方、タンタル、ニオブ金属は溶融溶接が十分可能である。但し、酸素、炭素、窒素ガス等による不純物汚染が生じた場合、上記の熱影響部(HAZ)は硬く、伸びの無い(固溶および析出硬化)状態を呈して、一種の粒界脆化を招くことがある。このため、溶接時には十分シールドされた条件で行われなければならない。上記高融点金属の異種金属間の溶融溶接に関しては、全ての組み合わせで全率固溶体であるけれども、タンタルーニオブ間は問題が無いが、ニオブーモリブデン、タンタルーモリブデン間は溶接が可能であるが結晶粒界の脆さに起因して実用化が現状では困難である。このように、溶融溶接は、さしずめ、純タン・モリ金属では問題点を含むが炭素の適量添加および合金元素添加により溶融溶接後の多結晶部の脆性を緩和することが出来る。たとえば、TZM合金(0.5Ti-0.08Zr-0.01C-Mo),ランタン分散強化型モリブデン合金(コラム(4))等がある。一方で高融点金属の接合には溶融溶接の他、ろう付け接合、拡散接合、摩擦接合など固相接合が盛んに試みられている。しかし、ろう付け接合の場合、高真空中、水素中、不活性状ガス中で行われ、ろう材による接合面での金属間化合物などの生成により脆くなるなどの問題を抱えているが、モリブデン金属のろう接合ではろう材としてモリブデンールテニウム合金を使用することにより成功している例もある。
当社はこれらの高融点金属の溶接・接合に関する地道な研究開発を行うと同時に優れた溶接・接合技術を駆使して高温炉材および耐熱部品材料の接合を行っている。

投稿者 sunric : 2006年2月 2日 14:04