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2006年1月19日
(2)成形加工と肌荒れ現象
純金属の再結晶後の板、棒、線材等を曲げ、絞り加工などをすると、成形加工後の製品表面に変形粒の微小凹凸で覆われた肌荒れ現象がよく生じる。製品に美観を損ねるばかりで無く外観品質の良し悪しに影響することがよくある。この現象は鋼の薄板の成形加工後に見られるリジング、ローピング現象、また鋼の加工・再結晶焼鈍後、粗大結晶粒間の結晶方位差による表面上の微小凹凸として認識される肌荒れ(オレンジピール)とはミクロ的には異にするものであるが、マクロ的には再結晶組織状態(集合組織、結晶粒径、結晶粒形状)に起因して生じる現象と言える。
ところで、当社で扱っているタングステン、モリブデン金属は、鉄および鉄鋼材料をはじめとする多くの金属材料と異なりコラム(1)で述べたように、再結晶後ではむしろ成形加工が出来難い金属である。したがって、上記金属の成形加工は再結晶組織状態にある素材を成形加工することは殆ど無く、加工組織状態で成形加工を施しているため成形後の製品に肌荒れ現象を示すことは極めて少ないが、熱間加工後の厚板、太棒には加工変形粒径に依存して認められる。しかしながら、タンタル金属は再結晶状態で一般に素材提供されるため、この金属の成形加工後では写真1に示されるように再結晶粒径に依存した肌荒れ現象が明白に認められる。
当社はこのような成形加工と肌荒れ現象の金属学的な挙動を理解すると共に素材の材質
制御を厳密に行い、曲げ、絞り(プレス、ヘラ)成形加工時に発生する肌荒れ現象を克服して、超精密な成形加工製品を創製している。

投稿者 sunric : 2006年1月19日 10:09